CAS REGISTRYに重複のない5,000万件目の化学物質を登録
オハイオ州コロンバス発:2009年9月8日
新しい鎮痛薬が科学的発見の画期的偉業のシンボルに
米国化学会(American Chemical Society)の一部門であり、世界最大の科学情報データベースを保有するCAS(Chemical Abstracts Service/ケミカル・アブストラクツ・サービス)は2009年9月7日、化学物質データベース「CAS REGISTRYSM」に5,000万件目の物質として鎮痛作用のあるarylmethylidene heterocycleを登録したと発表しました。CAS REGISTRYに4,000万件目の物質が登録されたのが2008年11月末、その後わずか9ヶ月で1,000万件の物質が登録されたことになります。1957年の収録開始から1,000万件目の物質登録(1990年)まで33年かかったことに比べ、今回の登録は、新しい科学知識の蓄積のスピードが一段と加速している事を物語っています。
この記念すべき登録に、世界各国の情報専門家や科学者からコメントが寄せられています。
「CAS REGISTRYの急速な成長は世界中の研究所における研究創造力の幅と深さの現れであると言えるでしょう」スタンフォード大学スウェイン化学・化学工学図書館長であるグレイス・ベイシンガー氏は語っています。「CAS REGISTRY は研究、教育、産業界の従事者にとって必要不可欠な情報源です。」
化学情報協会の前会長である千原秀昭氏は以下のように述べています。「記念すべき5,000万件目の登録達成にお祝いを申し上げるとともに、2つの事に気が付きました。1つはこの1年間、世界中で昼夜の別なく1日も休まず平均2.6秒に1件、新物質が分離もしくは合成されたということ。これは、化学の進歩がとてつもないスピードで進んでいる、ということです。もう一つはCASが世界中の科学者が直接的もしくは間接的に依拠している世界最大の物質情報のデータベースとしてのその名声を維持し続けているということです。」
CAS REGISTRYは世界で最もすぐれた化学物質情報の総合的なデータベースであり、その収録源は特許情報から論文情報,さらにはウェブサイトやその他の商業データなどにわたります。また、その情報の品質は科学者の専門チームで管理されています。CAS REGISTRYは化学名やCAS登録番号、関連文献情報の提供だけでなく、沸点や融点などの物性の実験値と予測値、企業カタログ情報、製法の詳細、スペクトル、規制情報を世界中から集めて提供しています。
5,000万件目の物質 (CAS登録番号 1181081-51-5) は2009年8月13日、世界知的所有権機関(WIPO) から発行された200ページに及ぶ特許の実施例中に記載されていた物質で、CASの科学者によって収録されました。この特許によれば、これまで神経痛の薬は米国食品医薬局その他各国の規制当局で承認されたものがほとんどない中、この情況に対処するため新規に一連のアリールメチリデン系のヘテロ環化合物が合成され、そのうちの一つが今回登録されました。
「CAS REGISTRYに登録されている5,000万の物質はがん研究から新商品の開発、有効性の高い新薬、また、より小型でより高速のコンピュータ用プロセッサーの開発に至るまであらゆる科学分野で新発見をもたらす可能性を持っています。」CASのエディトリアル部門の最高責任者であるマシュー・トゥーサン博士はこう語っています。「科学の発見は過去の発見の集積がもとになっており、CAS REGISTRYの品質と網羅性が化学的な革新を可能にしているのです。」
CAS REGISTRYは、CASの受賞製品であるSciFinderと、同じくCASのSTNファミリー製品を介して利用できます。CASはこれらの先進的な検索・分析テクノロジーによって、研究プロセスにとって欠かせない信頼できる情報を科学者が見つけやすいようにしているのです。
5,000万件目の物質の情報源について
5,000万件目の物質は、世界知的所有権機関(WIPO) が今年発行した特許から取られました。特許の保有者はカナダのケベックにあるChlorion Pharmaで、クロリドの転形[chloride modulation]を専門とする薬品開発企業です。
報道連絡先
- ツイッターのcaschatterで最新情報を得る
